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気付かずやってる建築基準法の違法行為 ~知らないうちにあなたも犯罪者!?~
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気付かずやってる建築基準法の違法行為 ~知らないうちにあなたも犯罪者!?~

建物は新築時に適法であったとしても、その後増築や改築、リフォームをしたことで建築基準法に適合しなくなって違法建築物となることがよくあります。
例えば、物置一つ増やすにしても場合によっては申請が必要なことがありますが、そのことを知らずに増やしてしまったなど。
あなたの建物も申請をせずにこんな行為はしていませんか?

倉庫、カーポート、駐輪場、車庫 増築時の違法行為

  • 10㎡以上の面積を必要とする場合は必ず確認申請が必要だが申請をしていない
  • 増築により建ぺい率、容積率の制限がオーバーするが増築してしまった
  • 第一種・第二種低層住居専用地域に車庫(付属建築物でないもの)を建ててしまった
  • 延焼ライン内に増築したが、増築した建物の防火性能が足りない

第一種・第二種低層住居専用地域とは?

都市計画法には「用途地域」というものが定められており、エリアによって建てても良い建物が制限されています。これによって住宅街には風俗店などが出店できない、といった住み分けができています。第一種、第二種低層住居地域は低層住宅のための地域です。住宅に付属する車庫は建てられますが、単独で車庫を建てることはできません。

延焼ライン(正式には「延焼の恐れのある部分」)とは?

隣地で火災が起きた時に延焼の恐れがある範囲であり、建築基準法において隣地境界線や道路中心線から、1階においては3m以下、2階以上の階においては5m以下の距離の中に含まれる建物の部分のことを指し、法律で定められた耐火性能(燃えにくい素材を使用するなど)を満たす必要があります。

リフォームの違法行為

  • 内装制限の規制を知らずにリフォームして、適合しない内装材に変更してしまった
  • 構造上必要な柱や梁を知らずに取ってしまった

内装制限とは?

火災時に避難の妨げにならないよう、天井・壁に不燃材・準不燃材・難燃材などの燃えにくい素材を使わなければならない法律です。制限を受けるケースは様々で、専門家でないと理解するのは難しい内容になっています。

用途変更

  • 確認申請が必要な用途変更にもかかわらず申請をしていない
  • 定められている用途地域に適していない用途に変更してしまった
  • 用途変更により行政から求められる消防設備の内容が変わったが変更していない
  • 避難経路が建築基準法に違反していた
  • 窓に防犯フィルムを貼ったが「消防進入口」を減らす事になり違法になってしまった

まとめ

これらの行為は全て違法となり、行政から是正措置命令(除却、使用禁止の命令等)を受けたり、新たな増築ができなくなったり、融資が受けられない場合もあります。
また、建築主だけでなく、施工業者、建築主以外に建物の所有者がいる場合はその所有者も行政から是正措置命令を受ける場合があります。

建物やその敷地内で何か変更する時にはまずどんな法律上の制限がある地域なのか、行政に申請する必要がある内容なのか、事前に把握して適正に対応しなければなりません。

元々その建物を施工した建築会社やお知り合いの設計士の方、あるいは弊社のような一級建築士が在籍している建設会社などに確認するのも良いでしょう。

また、その建物が違法なのか適法なのか判断するために検査済証が重要になります。検査済証は再発行できませんので大切に保管しておきましょう。
「確認済証」でなはなく、建物の完了検査を受けた後に発行される「検査済証」です。
万が一紛失してしまった場合は県や市町村で確認申請台帳の記載事項証明書を交付してもらいましょう。

また、そもそも完了検査を受けていない物件の場合、増改築や用途変更など申請が必要な行為や売買なども非常に難しくなります。

検査済証は建物を何かしら触る場合にはとても重要な書類となりますのでご注意ください。

筆者コメント

タイトルに”犯罪者”と記載しましたが、今回紹介させていただきました事例の中では刑罰法規に反しているわけではないので実際には犯罪者ではありません。
しかし、行政からの除却・是正命令を無視したり、悪質な場合は罰金刑などの刑事処分を受ける場合もありますので、そのまま放置したりすることはやめましょう。
筆者

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