コンクリート外壁は劣化状況で修繕方法が異なります。撥水剤や弾性塗料など外壁塗料のメリット・デメリットをご紹介。【事例紹介:半田市の製造業】
アパート・マンション・事務所・工場、さまざまな建物がありますが、年数が経ち古くなれば修繕・メンテナンスといったことも考えていかなければなりません。
建物は常日頃から風雨・紫外線、時には自然災害として想像以上に劣化が進んでいます。
企業が管理する工場や事務所はRC構造(鉄筋コンクリート)を用いていたりするため頑丈に作られてはいますが、修繕を行う時期は必ず訪れます。
外壁の主な劣化の症状
発生箇所 | 主な原因 |
---|---|
屋根 | 屋根材の経年劣化、板金の劣化 |
外壁 | 外壁のひび割れ(クラック)、コーキングの劣化 |
ベランダ | 表面の防水層の劣化、排水溝の劣化・詰まり |
窓 | サッシの隙間の劣化 |
雨樋 | 破損、詰まり |
上記は劣化の症状で多く見られる一例です。ただし地域の環境によっても異なってきます。
例えば半田市を含む知多半島でいえば海に囲まれており、潮風によって劣化が早まったり、想像以上にひどい劣化することもあります。
コンクリート外壁における塗料の比較
塗装工法名 | メリット | デメリット | 建物の状態 |
---|---|---|---|
撥水剤 | ・安価で施工できる ・耐水性能があり、雨水の浸入を防ぐ | ・耐用年数が3〜5年ほどと短く、こまめにメンテナンスする必要がある ・透明なため、下地補修の跡を隠蔽できない | 建ててから数年でひび割れなどの大きな劣化症状はなく、雨漏り予防対策。 |
弾性塗料 | ・ひび割れ・雨漏りのリスクを抑えられる。耐用年数は7〜10年ほど。 | ・塗りつぶすためコンクリートの風合いが薄れてしまう。撥水剤より高価。 | 建ててから時間が経過しており、ひび割れなどの劣化症状がある。 ひび割れを保護して水の浸入の対策。 |
カラークリヤー塗料 | ・元のコンクリートを維持しつつ、撥水剤よりも耐水機能が高い | ・撥水剤・弾性塗料よりもかなり高額になる。 | ひび割れなどの劣化症状があり、コンクリートの状態を残したい。 |
それぞれ特徴と耐用年数がかなり異なるため状況に応じて使い分けて行く必要があります。
半田市の製造事業者様の事例
建物が築30年近く経ち外壁の一部が落下してくるなど危険があり、今後も長く事業を続けていくにあたりリニューアルしたいが建て替えではなく修繕のみで長く使えるようにしたいというご相談を受けました。
敷地内に工場と3階建ての事務所があり、雨漏りや外壁の破損が見られるようになっていました。
特に事務所がある建物の外壁は一部が打ちっぱなしのコンクリートになっており、新築当時撥水剤を塗布して仕上げているが塗装メンテナンスはしていないため、外壁の汚れなどが目立つ状態でした。
改善する点
- 1.ひび割れ、雨漏りといったリスクを防ぐこと。
- 2.耐久性を良くすること。
- 3.汚れや補修跡も目立たなくなること。
いくつか改善する点があり、外壁の破損もあるためコンクリート調のシリコン性の弾性塗料をご提案させていただきました。
耐用年数は約10年と考えており、撥水剤よりも多少高価なものではありますが長期的に考えれば安全面、コスト面は弾性塗料の方が優れているためこのようなご提案に至りました。
元あったコンクリートの風合いはなくなってしまいますが、コンクリート調の塗料のため外観も綺麗な状態になります。
まとめ
建物の修繕となると維持または回復が目的になるため、極力コストは抑えたいとお考えになる企業は多いです。
しかしその場所で働く従業員に危険が及ぶかもしれない状況まで老朽化が進んでいたら…。
商品や備蓄品に被害が及んでしまったら…。
安全性や作業効率といった部分もリスクマネジメントという視点では重要な要素です。
使う人がいてこその建物であり、建物の価値をなるべく落とさず長く保つためにはメンテナンスが必要不可欠です。
老朽化していく建物の補修という視点だけでなく、企業が持つ資産の価値向上といった点から考えていくことも大切です。