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違法建築ってご存じですか?~増築、改築の落とし穴~
事業継承

違法建築ってご存じですか?~増築、改築の落とし穴~

今回は違法建築に関してご紹介をしていきます。

皆さんは違法建築と聞いてどんな建物を想像しますか?

こんな建物や……

違法建築のような建物写真はイメージです

こんな建物……!?

違法建築のような建物写真はイメージです

実は違法建築は意外と身近に存在するのです。

違法建築とは建築基準法や条例に違反して建てられた建築物のことで「違反建築物」とも呼ばれます。また、建物を建築する際には建築確認を取得しますがその後、勝手に増改築や用途変更を行ったことにより最終的に違法となるケースもあります。
実際に多い事案として建ぺい率や容積率のオーバーがあります。
違法建築でも売買はできますが行政による是正指導に従わなければならない場合もあり、建て替え時に制限があります。また、物件を買う際のローンが出づらくなる、売買する際に再建築不可な場合は不動産広告に「再建築不可」等の表示をしなくてはいけない等、様々なペナルティを受けることになります。

※建ぺい率とは・・・・敷地面積に対する建築面積の割合を示します。
※容積率とは・・・敷地面積に対する建築延べ面積(延べ床の割合)を示します。

これらは都市計画法で指定される用途地域によって定められます。市町村の都市計画課で調べることが可能です。

違反建築事例(1) 建ぺい率、容積率オーバー物件

建ぺい率と容積率

これが一番多いケースだと感じます。新築時は建ぺい率、容積率共に規定の範囲内であったが、無許可、または許可内容と異なる増改築を繰り返した結果、規定をオーバーしてしまったというケースです。具体的な事例をご紹介します。
確認申請時に倉庫として申請したが倉庫の高さに余裕があったのでそのスペースにワンフロア増築してしまったというケースが当てはまります。確認申請を取らずに上記のようなことを繰り返すと将来建物が老朽化した際に建物をすべて壊さないと新たに増築できない状況に陥る可能性があるので注意が必要です。

違反建築(2) 確認申請の内容と異なった建物を建築

駐輪場
確認申請時に提出した図面と実際に建築した建物の構造や仕様が違っている場合、違反建築となってしまいます。
例えば庇(ひさし)が当初は敷地内に収まる予定であったが隣地との境界線を誤認したことにより隣地の境界を越えて庇を建築してしまったケースや、確認申請時には避難スペースとして設けた土地に駐輪場を設置してしまうなどのケースが挙げられます。

違反建築(3) 許可を受けた用途と違う用途で使用

店舗

例えば、確認申請時には、1Fを店舗用フロアとして申請して使用していたが店舗の業績が不調となり賃貸居住用スペースとして他人に貸し出している場合なども違反の対象となります。

既存不適格とは・・・・

既存不適格とは

違反建築という言葉は耳にする機会が多いかと思われますが既存不適格という言葉は聞いたことがあるでしょうか。
既存不適格とは現在の建築基準法上では不適格となってしまう物件だが、建築当初は適法で建てられた建物のことです。つまり建築時は法に適合していたが法改正により適合しなくなってしまった建物のことを言います。
実際には建ぺい率や容積率の面積制限数値の変化、高さ制限(北側斜線制限の数値)の変化、道路拡張による敷地面積の減少等、様々な理由で既存不適格物件になってしまうケースがあります。
しかし、既存不適格物件は違法建築ではありません。元々基準を守っていたものに対して法改正が後から施工され、規定値をオーバーしてしまったのでその部分に関しては優遇措置がなされています。
ただし建物建築時に完了検査を受け、検査済証があるかどうかが既存不適格物件を証明する重要な書類になってきます

既存不適格に対する罰則は?

建ぺい率、容積率オーバーに対する罰則はありません。
しかし、規定をオーバーしている状況で今以上に延床面積を増やすことはできません。
増改築や大規模修繕等を伴わないリフォームであれば、オーバーしている面積分を壊さなくとも平気ですが、確認申請や改装、改築、建て替えなどをする際には、現在の基準に合わせる必要があります。リフォームや建て替えを考える時には、自分の家を建てた後にどういう改正や変更があって、建物のどの部分に関わってくるのか、知っておくとよいでしょう。

違法建築と既存不適格の違い

まとめ

(1) 違反建築は身近に存在する

⇒まずは所有の建物が適法か確認する
知らないうちに所有しているケースも……!!

(2) 違反建築の主な要因は・・・・

  • 建ぺい率、容積率オーバー
  • 確認申請と異なった建築物の施工
  • 許可を受けた用途と違う用途で使用

(3) 違反建築を所有するデメリット

⇒罰金や増築・改築できない、融資が受けられない等の可能性もあるので要注意。

(4) 建築時、完了時に必ず済証取得する

⇒建物が適法であることを証明する大事な資料です。
新築、増築、改築時に必ず申請を実施!
その後、確認済証、検査済証は大切に保管してください。

最後に……

違反建築物を所有するという事は社会的評価が下がる可能性も含みます。売買代金が安いから、収益が見込めるからなど目先の利益を追い求めて所有すると後々に高い代償が付くということを認識しておいた方が良いかもしれません。
事業継承やCSV(近隣の方や地元の人々からの支持)の観点からも将来性を考えた建築が重要だと感じます。
適法に建築すること≒未来の利益に繋がると言っても過言ではないでしょう。

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