中小企業にこそスマートファクトリーの導入を
皆様はスマートファクトリーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。聞いたことはあるけれど、詳しく知らない。知ってはいるけど大きな工場が導入するもので自分とは関係ないとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
じつはDXやAI、IoTの進化が進む現代において、大きな工場のみならず、町工場などでもスマートファクトリーへの注目度が上がっております。
IoTとは
IoTはInternet of Thingsの略で「モノのインターネット」と呼ばれております。それぞれのモノから各データを取得し、そのデータを元に最適な方法でそのモノを制御できるという仕組みです。
ここで言う「モノ」とは、例えば冷蔵庫や電子レンジ、腕時計など従来インターネットに繋がっていなかった物質的な物や人の行動、そのほか気温などの環境情報のことも指します。
近年、私達の身近でも普及が進み、さまざまなシーンで利用されております。
例えば冷蔵庫の事例では、スマートフォンと連携し、一定期間の冷蔵庫のドアの開閉を分析。曜日ごと、1時間ごとの生活を予測することによって、きめ細かな運転と節電が可能となりました。また、腕時計ではスマートウォッチがわかりやすい例です。特殊なセンサーで脈拍を計測し、その情報をスマートフォン末端と連携させることで健康状態の把握ができます。
スマートファクトリーとは
上記のIoTを活用した工場がスマートファクトリーです。これからの製造業のモデルとして注目されております。
工場のマシンや設備にセンサーを設置することで、稼働状況や状態を数値化、記録化、生産コストを可視化できるようになります。それにより改善策も考えやすくなり、生産性の向上に向けてアポローチしやすくなります。
スマートファクトリーは大きな工場だけ?
「スマートファクトリー」と聞くと、導入費用が高額なイメージがあったり、大規模な工事が必要なイメージはありませんか?
もちろんそういった導入方法もありますが、もっと小規模な「スマートファクトリー化」が進み、大きな工場のみならず町工場などでも導入事例が増えmさまざまな業界からの注目度も上がっています。
工場のIoT導入で得られる効果
実際にIotを導入するとどんな効果がえられるでしょうか?
ここでIoTを活用した場合の方策をご紹介します。こちらは実際町工場で導入された事例です。
A製品の1時間あたりの製造個数の最大値は50個ですが、その最大値を増やすことが出来れば企業の生産性向上に繋がります。
製品Aを製造する為にはX部品とY部品を組み合わせて製造する必要があります。
A製品の生産量を上げる為には、まずこのX部品とY部品の1時間あたりの製造個数を増やさなければなりません。
しかし、部品製造のための機械を増やす、増築するといったアプローチは、予算面でも難しく、まずは現状の生産体制を見直すこととなりました。
そこで、X部品とY部品を製造する各工程にセンサーを設置し、工程ごとに所要時間を計測してどこでどれだけ時間がかかっているのか分析。その分析結果をもとに、改善策を考え実施しました。
その後も、実施した改善策でどのように生産性が変化したかをセンサーにより把握することができ、効率的に生産性の向上に向けてアプローチが可能となりました。
この場合、スマートファクトリー化した部分は「センサーを設置した」「センサーから末端に情報が届くようにした」といった部分のみです。
この町工場では導入費用を抑え、かつ生産性を向上させることができました。
IoT導入により期待できること
このように工場にIoTを導入する事により以下が期待できます。
・各工程を数値化して可視化する事が出来る
・生産性向上により人手不足解消、人件費削減の手助けとなる。
・常時監視する事が出来るので大規模災害に対して対策が出来る(BCP対策)
・AIを導入する事によりラインの自動化も可能
まとめ
今回は比較的導入が簡単な一例をご紹介させていただきましたがAIやビッグデータを活用することでさらに効果を発揮することができます。
設備と設備、設備と人をネットワーク上で接続してデータを得て活用する事により生産性の向上を確保するのがスマートファクトリーの目的です。
これからの時代、中小企業こそIOTの導入が求められていると感じます。